Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
あらし
嵐
島崎 藤村
Lee 嵐 (あらし) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 54.007 caracteres · 108 pantallas
私はその日のうちに四人の兄妹に分けるだけのものは分け、受け取った金の始末をしてしまいたいと思った。そこは人通りの多い町中で、買い物にも都合がいい。末子は家へのみやげにと言って、町で求めた菓子パンなどを風呂敷包みにしながら、自動車の中に私たちを待っていた。
「末ちゃん、今度はお前の番だよ。」
そう言って、私は家路に近い町のほうへとまた車をいそがせた。
かなりくたぶれて私は家に帰り着いた。ほとんど一日がかりでその日の用達に奔走し、受け取った金の始末もつけ、ようやく自分の部屋にくつろいで見ると、肩の荷物をおろしたような疲れが出た。
私は、一緒に帰って来た次郎と末子を、自分のそばへ呼んだ。銀行へ預けた金の証書を、そこへ取り出して見せた。
「次郎ちゃん、御覧。これはもうお前たちのものだ。どうこれを役に立てようと、お前たちの勝手だ。これだけあったら、ちょっとフランスあたりへ行って見て来ることもできようぜ。まあ、一度は世界を見てくるがいい。このお金はそういうことに使うがいい。それまではとうさんのほうに預かって置いてあげる。」
子供を育てるには、寒く、ひもじく、とある人がかつて私に言ってみせたが、あれは忘れられない言葉として私の記憶に残っている。