Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

おびひろまで

帯広まで

林 芙美子

Lee 帯広まで (おびひろまで) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.656 caracteres · 28 pantallas

Aozora Bunko

九太は九太で、伊代のなりふりを見て、心のうちで愕いていたのであった。化粧がうまくなって、何か浮々した感じであったが、考えていた程にも不幸でないのが九太を明るくした。

「よかったら、家へお出でよ。見学の為に、僕の身の墜ちかたも見といていゝよ」

伊代は、その言葉を聞くと、九太も変に田舎臭くなったものだと思った。一年の間、この男のことを思い出して泣いていたことが、馬鹿々々しかった。これなら東京へ帰っても元気で生活出来ると思った。話していると、まるで心がちぐはぐで、田舎の親類に逢っているようなのんびりさである。九太は、伊代に向って、一年の間、どうして暮していたかとも尋ねなかった。

「まだ十時だもの、宿へ電話しといて、家へ一寸お出でよ」

「厭だわ、平穏無事な奥さんの心を揺すぶって、一寸ばかりいゝ気持ちになろうなんて、そう思ってんでしょ……」

「そうひねくれちゃ困るね。他意なくお出でと云ってるんだよ。えゝ?」

伊代は他意なく行ってもいゝと思った。かえって行く方が自然だと思った。二人は蕎麦を一杯ずつ食べて濡れながら街を歩いた。九太の住居は蜀黍畑に囲まれた畑の中にあった。