Clásicos japoneses con furigana
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こころのしらべ
心の調べ
宮城 道雄
Lee 心の調べ (こころのしらべ) de 宮城 道雄 (みやぎみちお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 29.958 caracteres · 66 pantallas
その人がどういう態度をしているかということも、自然に感じられるのである。
ある夏の暑い時であったが、或る人が尺八を合せに、私のところに来たことがある。その人とは心易い間柄だったし、丁度その時は誰も居合わせなかったので、その人が上著を脱ぎ、はだかになって尺八を吹き出した。私はそれを感じていたけれども黙って合奏をしたのであった。そしていよいよ済んだあとで、私が今日のような暑い日には、はだかでやると大変涼しいでしょうなあ、と言ったらその人は驚いて、這う這うの体で帰ってしまった。その人は別に私を誤魔化そうと思ってやったのではなく、心易さからのことだったろうが、私の言ったことが当たったのであった。
とりわけ、声で、一番私の感ずることは、バスや円タクに乗った場合である。
声を聞いただけで、今日は運転手が、疲れているなと思ったり、また賃銀でも値ぎられたのか、非常に憤慨した気持のままだとか、ちゃんと知ることができる。
電車やバスなどの車掌が、わざわざ発車するのを遅らせても、私たち不自由な者の手を引いて、乗せてくれたりすることがある。こういう風に、道の途中を歩いていても、その人の声を聞いて、その人の人柄が知られるのであるが、私は心の持ちようで、声まで変わって来るものだということを信じている。