Clásicos japoneses con furigana
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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Lee 怪塔王 (かいとうおう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 167.635 caracteres · 337 pantallas
怪塔王は、きっと顔をあげましたが、そのまま言葉もなく首を垂れました。
素顔
1
「もうだめだ」
怪塔王のため息は、帆村にも小浜兵曹長にも、聞えすぎるほどはっきり聞えました。怪塔王は気の毒なほど、悄気ているようです。
「おい、マスクをとれ」
帆村探偵が、さいそくしました。
「よし、いまとる。もうこうなっては、諸君の命令にしたがうばかりだ」
と、怪塔王は日頃に似あわぬおとなしいことをいって、両手を顔にかけました。
ああいまこそ怪塔王のマスクがとられるのです。人をばかにしたようなおどけた汐ふきのマスクの下にある顔は、一体どんな顔であろうかと、帆村探偵と小浜兵曹長とは、非常に胸がおどるのを覚えますとともに、また一方において、たいへん気味わるくもおもいました。
怪塔王は、マスクを無造作にぬぎました。防毒面をぬぐのと同じように、顔面全体と頭髪とが、すぽりととれたのです。
さあ、そのマスクの下に、どんな顔があったでしょうか、息づまるような瞬間です。
怪塔王は、しばらくうつむいていましたが、やがて顔をしずかにあげました。
鬼神の顔か? それとも国宝科学者といわれた大利根博士の顔か?