Clásicos japoneses con furigana
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かいいにきらわる
怪異に嫌わる
豊島 与志雄
Lee 怪異に嫌わる (かいいにきらわる) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 4560 caracteres · 10 pantallas
坪井君は丹波の人である。その丹波の田舎に或る時、伯父の家を訪れたところ、年老いた伯父は、倉からいろいろな物を持出し、広い座敷に処狭きまで置き並べて、それに風を通していた。
――君は田舎の旧家にある土蔵を知っているだろうか。壁の厚み三尺以上もあり、鉄鋲をうちつけた重い樫の扉の錠前は、二重にも三重にもなり、二階造りで、一階には窓がなく、段の高い階段を上ってゆくと、二階の正面にただ一つ、二尺四方ぐらいの小窓があるきりだ。如何に暴風雨の時でも、その中にはいれば深閑として、まるで洞窟にでもはいったよう。家人もめったにはいらず、掃除なども殆どされず、埃の積るままになっている。そして其処には、実にさまざまな物が雑然とぶちこまれている。壊れかかった家具や道具の類が堆積していたり、紋章づきの櫃や長持が並んでいたりする。鼠にとっては禁断の場所だが、往々、大蛇が住んでいることもある。この土蔵から、所謂大切なものを取出す権利は、多くは年老いてる家長の専有するところで、随って家長は、隔年ぐらいに一回、ふと思い出したように、伝承の古物を母家の座敷に持出して、土用干しをするのだ。