Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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うらみなきさつじん

恨なき殺人

宮島 資夫

Lee 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) de 宮島 資夫 (みやじますけお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 27.611 caracteres · 56 pantallas

Aozora Bunko

翌朝池田は早く起きて、何時ものように山の峰を散歩して、深呼吸をしたり、冷水摩擦をやった。

朝明けの澄み切った空気を吸ったり、皮膚の赤くなるほどになったりすると、一時に健康を増すように思われる。日毎にしきたったその事の終らない中は、彼は何となく気が落ちつかなかった。それが終ると、やがて彼は判座を受けつけるまで窓際に腰を下して、坑夫や掘子の来るのを待つのであった。

山の峰は朝陽に輝いて、空は美しく晴れていた。まだ人の足に汚されない坑内から出る水は、綺麗に澄んで麓の方へ、チロチロと優しい音を立てて流れていた。物凄い響きの起らない間の、鉱山の朝は静かに美しかった。

やがて選鉱の人夫が、二三人ずつ、「おはよう」と判座帳を投げ込んで下の方へ下って行ったが、すぐ眼の下のマンゴク網の下で、輪をつくって、煙草をプカプカ吸っていた。澄み切った大気の中に、紫色の煙が鮮やかに立ち上った。四五人目に来たのは塩子から来る老人であった。ゴホゴホ咳をしながら判座帳を出して、

「旦那昨夜、塩子の祭りで人殺しがありやした」と言った。喧嘩や怪我には慣れ切った池田も、人殺しには一寸驚いて、