Clásicos japoneses con furigana
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そうわ
挿話
徳田 秋声
Lee 挿話 (そうわ) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 26.544 caracteres · 53 pantallas
道太は初め隣に気狂いでもいるのかと思ったが、九官鳥らしかった。枕もとを見ると、舞妓の姿をかいた極彩色の二枚折が隅に立ててあって、小さい床に春琴か何かが懸かっていた。次ぎの間にも違棚があって、そこにも小さい軸がかかっていた。青蚊帳に微風がそよいで、今日も暑そうであったが、ここは山の庵にでもいるような気分であった。お絹はもう長いあいだ独身で通してきて、大阪へ行っている大きな子息に子供があるくらいだし、すっかり色の褪せた、おひろも、辰之助の話では、誰れかの持物になっていた。抱えは二人あったけれど、芸道には熱心らしかったけれど、渋皮のむけたような子はいなかった。道太はというと、彼は口髭がほとんど真白であった。彼をここへ連れてきたことのある、そのころの父の時代をも、おそらく通り過ぎていた。お絹の年をきいて、彼は昨夜驚いたのであった。道太の妻よりも二つも上であった。しかし踊りやお茶の修養があるのと、気質が伝統的に磨かれてきているのと、様子がいいのとで、どことなし落ち著いていた。辰之助の言うとおり、現在別に世帯をもっているおひろの妹と、他国へ出て師匠をしているお絹の次ぎの妹と、すべてで四人もの娘がありながら、家を人手に渡さねばならなかったほど、彼女たちの母子は、揃いも揃って商売気がなかった。