Clásicos japoneses con furigana
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Lee 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 103.349 caracteres · 207 pantallas
「お女郎買いに行くより、お前が好きになった。」何と人生とはくだらなく朗らかな事であろう――。
どうせ故郷もない私だ、だが一人のお母さんの事を思うと、切なくなる。泥棒になってしまおうかしら、女馬賊になってしまおうかしら……。別れた男達の顔が熱い瞼に押して来る。
「オイ! ゆみちゃん、女給が足りない事よく知ってんだろう。少々位は我慢して階下へ降りとくれよ。」お上さんは声をとがらして、梯子段を上って来る。
あゝ何もかも、一切合財が煙だ。砂だ、泥だ。私はエプロンの紐を締めなおすと、陽気に唄をくゝみながら、海底のような階下の雑音へ流れて行った。
七月×日
朝から雨。
造ったばかりのコートを貸してやった女は、とうとう帰って来なかった。一夜の足留りと、コートを借りて、蛾のように女は他の足留りへ行ってしまった。
「あんた人がいゝのよ、昔から人を見れば泥棒と思えって言葉があるじゃないの。」
八重ちゃんが、白いくるぶしを掻きながら私を嘲笑っている。
「ヘエ! そんな言葉があったのかね。じゃ私も八重ちゃんの洋傘でも盗んでドロンしちゃおうかなア。」
私がこう言うと、寝ころんでいた、由ちゃんが、「世の中が泥棒ばかりだったら痛快だわ……。