Clásicos japoneses con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 187.841 caracteres · 376 pantallas
と、舳からとび降り、けんもほろろに、駈け寄って咎めた。
「横山城の木下藤吉郎」
彼は、馬を下ってまた、ていねいに訊ねた。
「丹羽殿はおいでか」
「おお木下様でしたか。主人長秀は、今し方まで、検分に見えておいででしたが、はや今浜の御陣所へ帰られました」
まぎれもないその人と分ったので、奉行はにわかに態度をかえて、
「――何か御急用なれば、今浜の方へ、使いを走らせますが」
「いや、それには及ばぬ。実は供の中に、急病人が生じたので、一棟の小屋と医者を拝借したいと思うて参ったが、医者はおろうか」
「おやすいこと。てまえの仮屋までお越しくだされば、如何ようにも」
「其許は」
「丹羽家の臣、島木筑後です。先頃よりは、ここの船造奉行を仰せつかっておりまする」
「島木殿か。ともあれ、早速にたのむ」
「御病人は」
「あれにおる者だが」
ひとりの背に負われ、幾人かの同僚に労られながら、病人の半兵衛重治は、島木筑後の仮屋に導かれて行った。
彼方の柵のうちに、船普請役所が見え、それに附属した役宅が幾棟かある。藤吉郎は後に佇んだまま、
――これでまず安心。
と、いったような顔して見送っていた。