Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 200.320 caracteres · 398 pantallas

Aozora Bunko

(――良いさむらい哉)

秀吉の眼で見ても、しみじみ思う。信長がその寵愛を傾けて打ちこんだのも無理はないと思う。丹波亀山の城にあって、五十四万石を所領する諸侯として見ても、すこしも不足のない人がらと頷ける。

「筑前どの。何をおわらいでござりますか」

ふと、話のとぎれに、光秀からこう訊かれて、秀吉は初めて、しげしげと客に見入っていた自分の恍惚に気がついて、

「あははは。いやべつに」

と、卑屈なく声を放って、さり気なく措こうとしたが、もし光秀がひがんではいけないと考えたものか、

「あなたもだいぶお薄くなって来ましたなあ、額の際が」

と、思いもよらぬことを云い出した。そしてそのあとへなおこう云い足した。

「お口の悪い信長公は、てまえのことをさして、猿々とおっしゃるように、あなたのことをば、きんか頭とよく呼ばれる。丹波のきんか頭(禿頭という方言)が負けずにやりおるわ――などと日頃のおうわさにもよくお口に遊ばす。あははは、今、お頭を見ておるうちに、ふと、お上のお戯れを思い出したのでござった。おたがいにいつか年経りましたなあ」

秀吉は、自分の鬢を撫でた。かれの頭髪はまだ黒い。