Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lee 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 180.256 caracteres · 361 pantallas

Aozora Bunko

身装は、だんだん大きくなる。中村のうちではもう、

「ああ筑阿弥どんの家のせがれか、あの白痴猿ときては、口巧者ばかりで、使いものになりゃあせん」

と、定評がついて、もう世話してくれる人もない。

その世間へ、母のお奈加は、間が悪くて、肩身がせまくて、日吉のうわさを人がいえば、すぐ、自分から先に、

「あの子はもう、何にしたらよいやら、百姓は嫌うし、家には落ちつかないし……」

と、極道者の卵みたいに、自分から先に卑下して、人に謝ってばかりいた。

十五の春である。

窶れた母は、沁々と日吉を膝によせて、

「今度こそは、辛抱しやい。また出るようなことになると、お世話してくれた加藤殿へも、妹が顔向けならぬし、世間でも、またかと笑いますぞ。……いや今度、落度でもして、先様から出されたら、誰よりもこの母がききませぬぞ」

云い聞かせて、次の日、新川の大家へ、藪山の叔母に連れられて目見得に行った。

茶わん屋捨次郎の家だった。

そこには、幼友達の於福がいた。於福はもう、十七、八の色白の青年で、養父の捨次郎の家業を助け、茶わん屋の若旦那として、実直に手伝っている。

商家でも、主従のけじめは、厳しかった。