Clásicos japoneses con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lee 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.330 caracteres · 497 pantallas
あの女を叩くと、まるで護謨のように弾きかえって、体いっぱい力を入れて泣くのが、見ていてとてもいい気持ちだった。」
二人で縁側に足を投げ出していると、男は灯を消して、七年も連れ添っていた別れた女の話をしている。私は圏外に置き忘れられた、たった一人の登場人物だ、茫然と夜空を見ているとこの男とも駄目だよと誰かが云っている。あまのじゃくがどっかで哄笑っている、私は悲しくなってくると、足の裏が痒ゆくなるのだ。一人でしゃべっている男のそばで、私はそっと、月に鏡をかたぶけて見た。眉を濃く引いた私の顔が渦のようにぐるぐる廻ってゆく、世界中が月夜のような明るさだったらいいだろう――。
「何だか一人でいたくなったの……もうどうなってもいいから一人で暮したい。」
男は我にかえったように、太い息を切ると涙をふりちぎって、別れと云う言葉の持つ淋しい言葉に涙を流して私を抱こうとしている。これも他愛のないお芝居なのか、さあこれから忙しくなるぞ、私は男を二階に振り捨てると、動坂の町へ出て行った。誰も彼も握手をしましょう、ワンタンの屋台に首をつっこんで、まず支那酒をかたぶけて、私は味気ない男の旅愁を吐き捨てた。