Clásicos japoneses con furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lee 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 138.172 caracteres · 277 pantallas
「無論、あなたの人格を尊重して――」
という約束をした。
この約束は、突飛なようでもあるけれど、二度の告白で、泡鳴の正直さは、正直な彼女の心に触れたのでもあったろうが、だが、彼女は独りになると机の前で考えこんだ。愛は霊からはいったものでなければ本当でない、そして、正しい理智から出発したものでなければならないという、平常からの持論が拒んだ。
――あたしは、あなたに友情以上はもてない。
そう書いて、預かったお金を封入してかえそうとするうちに泡鳴の方から手紙が来た。
勿論第一条件だけでも拒絶されるよりもよいが、第二条件もなるべく考え直して承諾してもらいたい――そんな文面だった。
「あなたは、樗牛を愛読することから来たロマンチスト、僕があなたのロマンチストになるか、君が新自然主義になるか。」
泡鳴はそんなふうにもいったが、とも角共同生活にはいる話は、手っとりばやく纏まったのだった。
それまで、彼女は、五年間ばかりいた赤坂檜町十番地の家を引き払うことにしたのだ。拾った猫で、よく馴れているのがいたが、泡鳴が厭いだというので、近所へあずけてまで行くことにした。たしかに清子は、泡鳴に引かれたものであったには違いない。