Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lee 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 9672 caracteres · 20 pantallas

Aozora Bunko

こういう場合にもし男たちを接待に出したとしたらどうだったろう、そう思うと松子の考えのこまかさとその心の用意のたしかさに、昌幸はさらに感嘆のおもいをふかくするばかりだった。けれども到着した兵たちはおちつかなかった、女ではあるが※(「巾+白」、第4水準2-8-83)をつけ棒を持った姿はものものしいし、城壁には篝火があかあかと燃えている。――まるで敵地へはいったようではないか。――ゆだんをすると夜駈けをくうかも知れないぞ。そんな囁きが兵たちのあいだに交わされた、そしてかれらはその一夜をついに野陣のまま、ほとんど睡らずに明かしたのであった。

昌幸父子はその明くる朝はやく宿所をしゅったつした。霧のふかい朝だった、沼田の町は台地になっている、急な坂にかかっていよいよ城下をはなれようとしたとき、昌幸は馬をとめてふりかえった。――もうこれが見おさめかも知れぬ。そう思った、城の矢倉のひとつが霧のなかに幻のように浮かんでいた。水刷毛でさっと撫でたように、曲輪がまえはおぼろに霞んで見えないが、その矢倉だけが条をなしてながれる霧をぬいて腰から上をみせている。――あああの矢倉の下に孫どもがいる、仙千代が、隼人が。