Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lee 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 32.242 caracteres · 65 pantallas

Aozora Bunko

「それがだ。この旦那がタダの旦那と旦那がちがう。まア、大金持の気違いだと思えばマチガイねえや。人間のやらねえことを、やってみたいてえ気違いだね。太閤が大阪城で使った何百倍の大石でもかまわねえから、大小に拘らず天下の名石を探してこいてえ御厳命だね」

「このあたりで名石というのは、あんまりきかないねえ」

「山か河原でもかまわねえが、石がタクサンあるようなところはないかね」

「そうだねえ。石がタクサンあるてえば、山の神だが、こいつァ庭石になるかねえ」

甚八はグッと胸にくる驚きを抑えて、

「へえ。山の神てえのが、石の名所か」

「この近在のタナグ山に山の神があるのだが、お客人は田舎のことに不案内のようだが、この山の神てえものは御神体が山でもあるし、また石だね」

「その石は山のどこにあるのだ」

「慌てちゃアいけねえなア。オレが見てきたワケじゃアねえ。山の神だのサエノカミてえものは石を拝むものだてえ話さ。ホコラの代りに石がころがってるだけのものだね。名石だか、奇石だか知らないが、タダの石かも知れないよ。行ってみればどこかに石があるのだろうが、それを東京へ持って帰るわけにもいかねえだろうよ」