Clásicos japoneses con furigana
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はる
春
宮本 百合子
Lee 春 (はる) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3512 caracteres · 8 pantallas
――でも、全くいいわ、こうして外の景色と一緒に」
暫く眺め、友達は呟いた。
「薄情な奴! 一人で逃げ出すなんて! 帰って来い! 帰って来い!」
私は、微かな哀愁に似たものを感じた。
「――一寸そのままにして置いて御覧なさい。余り私達がそばにいると、却って近よらないかもしれないから」
私共は、トウストをたべ、紅茶をのんだ。その間にも、友達はちょくちょく縁側に出て見た。
「どう?」
私はこちらの部屋に坐ったまま訊く。
「うむ?」
気をとられた生返事だ。私も立ってゆく。二人で見る。文鳥は、さっきから見ると大分外気に馴れた。一はばたきごとに、違った枝、違った樹木の匂りを味い、知ろうとするように、小刻みに、自分を自分の囀りで励しながらとうとう、垣根近い樫の下枝まで行った。チチチ。同じ枝の上であっちを向く。直ぐこっちを見なおし籠を見、中で強く不安げに鳴きつづける仲間に応える。幾度に確かな自信ありげなところが出て来た。いよいよ籠に戻るという万ガ一は期待し難い。
「仕様がないな。――今朝ね、カタログが来たので、早くそれを見たいと思いながら、餌が無さそうなので吹いてやったりしたもんだから」