Clásicos japoneses con furigana
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はる
春
小川 未明
Lee 春 (はる) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 2691 caracteres · 6 pantallas
母親は、駆け寄って、子供を抱き上げると、うれしさのあまり、ものをいうこともできなく、二人は抱き合って、しばらく泣いたのであります。
* * * * *
この不思議な、小さな音は、いったいなんでありましょうか? いつしか、この小さな音は、町の人たちにだんだんと気づかれるようになりました。
「このごろは、毎日、晩方になると、遠くで、いい音がきこえますね。あれはなんの音でしょうか?」
「それは、どちらの方からですか。」
「町の南の方からするときもあれば、また、夕焼けのした西の海の方からすることもあります。」
「こんど、私も聞いてみましょう……。」
ある日のこと、一人の町人は、その笛の音を頼りに歩いてゆきました。町を離れ、野を越えて、その音は、あちらから聞こえてきたのでした。
「まあ、なんというたいへんに遠いところから聞こえてくる音だろう……。」
ついに海のほとりへ出ました。すると、あちらのがけの上で、少年が、海を見渡しながら笛を吹いているのでした。
「まあ、なんという危なかしいところへ、あの少年は乗って、笛を吹いているのだろう。そして、また、なんという、澄んで、遠くにまで響く笛の音だろう。