Clásicos japoneses con furigana
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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
Lee 時計屋敷の秘密 (とけいやしきのひみつ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 36.481 caracteres · 74 pantallas
四本が、とつぜん頓狂な声をあげたので、のこりの少年たちは、彼の方へ寄っていった。
「これは何だか分るかい」
と、四本が、棚に並んでいたガラス壜の一つをとりあげて、みんなに見せた。中には、黄いろ味をおびた、やや光沢のある結晶している石がはいっていた。
「知らないね。いったい、それは何だ」
「これは、昔から日本にもあるといわれてたが、そのありかはなかなか知れていない水鉛鉛鉱だよ」
「すいえんえんこう、だって。それは何だ」
こうなると四本の話をだまって聞くより手がない。
「これは昔たいへん貴重なものとして扱われた鉱石なんだ。つまりこの中には、モリプデン――水鉛ともいったことがあるね――そのモリプデンが含有されているんだ。ここまでいえばもう分ったろう。モリプデンの微量を鋼にまぜると、普通の鋼よりもずっと硬いものが出来るんだ」
「ああ、モリプデン鋼のことか」
「大昔は、刀鍛冶たちが、行先を知らせず、ひとりで山の中へはいりこみ、一ヶ月も二ヶ月も家へかえらないことがあった。それは刀鍛冶が、この水鉛の鉱石を探すために山の中へ深くはいりこむのだ。そしてその場所を見つけても誰にも知らせないで、自分だけの用に使っていた。