Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lee 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 67.333 caracteres · 134 pantallas

Aozora Bunko

「サア、ありました。これでしょう」

といって、お母さんの前にさし出したのを見ますと、一太郎君の手にしていたのはおもちゃの磁石で、その磁石の先にピカピカ光った一本のミシン針が、ピッタリ吸いつけられているのでした。

磁石が鉄を吸いつける力を持っている事は誰でも知っています。それから、ミシン針が鉄で出来ている事も知らないものはありません。しかし、その鉄の針が灰の中へおちた時、それを探し出すのに磁石を使えばよいということは、ちょっと気づく人が少いのです。たいていは火箸でかきさがして、見つからなければ、あきらめてしまうことが多いのです。

実になんでもないことです。しかし、そのなんでもないことを、考えつくということが、むずかしいのです。一太郎君はやっぱり感心な少年といわなければなりません。

お母さんが、お喜びになったのはいうまでもない事です。その晩、お父さんが御用からお帰りになった時、お母さんは一太郎君のこの二つの手柄話、ゴムマリとミシン針のことを、くわしくお話しになりました。

「ウン、感心感心、ゴムまりやミシン針は小さなものだけれど、その調子で何事にも智恵を働かして行けば、今にもっと大きい発明なども出来るようになるだろう。