Clásicos japoneses con furigana
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かきのたね
柿の種
寺田 寅彦
Lee 柿の種 (かきのたね) de 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 70.202 caracteres · 139 pantallas
これを過去の実例に徴するためには、人間の歴史はあまりに短い。
その三千年目か、五千年目は明日にも来るかもしれない。
その時には、その国の人々は、地震国日本をうらやむかもしれない。(大正十三年五月、渋柿)
*
晩春の曇り日に、永代橋を東へ渡った。
橋のたもとに、電車の監督と思われる服装の、四十恰好の男が立っていた。
右の手には、そこらから拾って来たらしい細長い板片を持って、それを左右に打ちふりながら、橋のほうから来る電車に合図のような事をしていた。
左の手を見ると、一疋の生きた蟹の甲らの両脇を指先でつまんでいる。
その手の先を一尺ほどもからだから離して、さもだいじそうにつまんでいる。
そうして、なんとなくにこやかにうれしそうな顔をしているのであった。
この男の家には、六つか七つぐらいの男の子がいそうな気がした。
その家はここからそんなに遠くない所にありそうな気がした。(大正十三年六月、渋柿)
火鉢を囲む二人の挿絵
*
三、四年前に、近所の花屋で、小さな鉄線かずらを買って来て、隣家との境の石垣の根に植えておいた。
そのまわりに年々生い茂る款冬などに負かされるのか、いっこうに大きくもならず、一度も花をつけたことは無かった。