Clásicos japoneses con furigana
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きりゅうつうしん
桐生通信
Lee 桐生通信 (きりゅうつうしん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 16.394 caracteres · 33 pantallas
したがって夏の来客へのゴチソウはもっぱらアユだ。去年から桐生川にヤナができたので、ヤナから直接買うことにしたが、焼くとサンマのようにアブラが強くてモウモウと黒煙がたつ。食ってみるとほとんどアユの香がない。へんなアユだが、仕方がないので、友人には
「桐生のサンマアユというやつでね。日本一まずいところが値打なんだ。モウモウとケムがでてアユの香のしないのが珍しい」
といってすすめた。友人たちも食ってみて
「なるほど珍しいアユだ」
とおもしろがってくれた。私は考えたのである。桐生川の川底の石にはこのあたりの子供たちがチョロとよんでいる虫が無数についている。ゴカイを小さくして透明にしたような虫だ。ここのアユはそれを食ってるせいでサンマになるんじゃないかと思ったのである。伊東のアユが温泉旅館のカスで育つせいかエサをつけないと釣れないようなものだ。ところが先日漁業組合員の魚屋がきて
「桐生川のアユは日本一ですよ。これがそうですから食ってみて下さい」
「食わなくともわかってるよ。モウモウとケムがでてサンマの味がするんだろう」
「いえ、あれはね、去年はヤナがはじめての仕掛けですからちょっとの出水でしょっちゅうこわれてアユがとれなかったんです。