Clásicos japoneses con furigana
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しいのき
椎の木
豊島 与志雄
Lee 椎の木 (しいのき) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 25.870 caracteres · 52 pantallas
川村さんの知り合いの人だとも云った。ところが、その頃僕は酔っ払うと、しきりに椎の木の話をはじめ、ハラゴンに対する憤慨をのべ、どこのどいつだというような調子だったものだから、それは「椎の木の先生のハラゴンさん」みたいな話だとまぜっ返す者がでてきて、彼女はつい、竹山という実際の人だと口を滑らしたらしい。多少酒のまわってる芸者どうしの饒舌なので、実際のところはどうだったかはっきりしない。
ただそれだけのことで、竹山とはどんな人かと改めてきかれてみると、小鈴は用心してかかった。が先方は、自分だけの考えに耽っているらしく、実はこうこういう竹山茂樹という青年を探ってる者で、なおよくその「椎の木の先生」に尋ねて貰えまいかと、返事の日を約束し、名刺をおいて帰っていったのである。
もう疑う余地はなかった。僕が自身で逢ってみることにした。
約束の日の夜、小鈴から電話があると、僕はすぐに出かけていった。
その時も、先程のあの料理屋なんだ。
五十年配の男で、短くかりこんだ硬い髪の毛に、さえない白髪がへんに多いのが目立っていたが、眼には妙に沈んだ鋭い光があった。僕はその眼を一目見ると、竹山茂樹の眼をすぐに思いだした。