Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
えのきものがたり
榎物語
山本 周五郎
Lee 榎物語 (えのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 33.519 caracteres · 67 pantallas
――国吉はその長屋で生れた。父は善吉といい、河見家の樵がしらで、妻とのあいだに六人の子があり、国吉はその四番めの二男であったが、国吉が五歳の年、善吉は半左衛門に土地を買って貰い、蒔田という村で百姓になった。善吉は青年になるまで百姓をしてい、それから河見家の樵になったのだから、彼自身は帰農というわけであるが、妻や子供たちには馴れない仕事であり、環境もいっぺんに変ったため、新しい生活にはなかなかなずめなかった。国吉は特にのら仕事が嫌いだったらしく、十五になるとすぐ、すすんで河見家の下男に住み込んだ。
さわは躯がひよわく、縹緻もあまりよくなかった。河見家の長女でありながら、そういったおうようさもなく、いつもどこかの隅か、人のうしろに隠れているというようすであった。父の半左衛門は「まるで貰われて来たような」おかしな子だ、と云っていた。――妹のなかは姉とはまったく反対で、姿かたちも美しいし愛嬌もあり、頭がよくてすばしこくって、小さいじぶんからにんき者であった。――なかにはこういう逸話がある、彼女が六歳のとき、小出から代官を招いて饗応した。これは殆んど毎年の例なのだが、なかは代官とその下役たちが接待されるのを眺めていて、なにを思いついたものか、仏間から小さな本尊仏を持ち出して来、それを代官に示して「これはなんという