Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

えのきものがたり

榎物語

山本 周五郎

Lee 榎物語 (えのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 33.519 caracteres · 67 pantallas

Aozora Bunko

実家へ知らせるどころか、親類を呼ぶ暇もなかった。急飛脚の持って来た手紙で、およその事情を知ったとき、母親のわかは激しく泣きながらさわを睨んだ。

「あんなによくできたいい子が死んで、おまえのような子が生きているなんて」と母は云った、「おまえが代りに死ねばよかった」

母はとり乱しているのだ、さわはそう思い、怒るよりは哀れだと思った。けれども、自分の部屋へはいって独りになると、涙がこぼれた。母が本心からそう望んで云ったのでないことは、疑ってみるまでもない。世間の親たちは同じような場合、よくそんなふうなことを口にするものだ。だからその言葉で母を恨むような気持はなかったが、ふだんなにも気にかけてもらえないのに、たまたま引合いに出されたとなると「おまえが代りに死ねばよかった」と云われた。それではあまりに自分がみじめだった。これがもしつねづね愛情をかけられ、大事にされていたとしたら、母の言葉はむしろ親子の愛情のあらわれと思えたであろう。だがそうではなかったのだ。

「そんなにもあたしは要らない子なのだろうか」とさわは喉を詰らせながら独り言を云った、「これでも妹と同じ血を分けた子なのだろうか」