Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lee 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 148.519 caracteres · 296 pantallas

Aozora Bunko

――奥山どのは辞職なさらぬでしょうか。

「するものか、彼は周防を逐って国老首席になろうと、のぼせあがっている、辞職したいと申すのが本心なら、こんな密訴をよこすまえに辞職している筈だ」

――すれば、怒ること必定でございますな。

「他の三カ条とはなんだ」

――殿の御好意を願っております。

「泣きごとか」

――万治元年、殿に御加増の案が起こったおり、茂庭どのは三千石と申したが、自分は七千石御加増を主張し、同じ十二月の御加増には自分の主張どおり決定した、ひとえに頼む御方と信じたからであって、このたびの件については、格別の御好意を得たいと思う、こういう意味のことをしたためてございます。

「もうよい、ばかなことを申すやつだ」

――他の二カ条も申上げましょうか。

「もうよい、その訴状はしまっておけ」

――かしこまりました。

「周防から知らせはないか」

――なにもございません。

「将軍家へ、亀千代どの家督の礼として、献上品の相談がある筈だ」

――茂庭どのからはまだなんの知らせもございません。

「それだけか」

――比野仲右衛門がまいっております。

「会おう」

――お召しによって伺候つかまつりました、私、比野仲右衛門でございます。