Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lee 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 148.519 caracteres · 296 pantallas
ほかのときは家従の人か、他の重臣の人たちといっしょだったが、それが原田甲斐だということは、いつもすぐにわかった。誰に教えられたのか、教えられた記憶はない。ずいぶんまえから、見かければその人だということがわかった。
甲斐は一人のときも、伴れのあるときも、なんとはなしに際立ってみえた。背丈の高い躯を少し前跼みにして、ゆっくりと歩く。顔つきは温かく穏やかで、微笑すると白いきれいな歯がみえた。
――宇乃は知っているわ、宇乃はまえからあの方を知っていることよ。
宇乃はよくそう思った。それは実感であった。ずっとまえからよく知っていたし、自分とは特に親しかった。いまでも、お互いがわかりさえしたら、まえのように親しくなれるのだ。宇乃はひとりでそう思っていた。
――思ったとおりだった。
弟と廊下をゆきながら、宇乃は心の中で呟いた。でもずいぶん淋しそうな方だわ、きっとなにか淋しい、悲しいようなことがあったにちがいない、まるでひとりぼっちなような話しぶりをなすっていたわ。
高廊下を曲ると、そこに塩沢丹三郎がいた。待っていたのだろう、宇乃に微笑し、すぐに虎之助を抱こうとした。