Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.773 caracteres · 294 pantallas
」
俊三はわかったような、わからないような眼をして、恭一を見た。恭一は今度は次郎に向かって、
「今度の母さん、そんなわけへだてなんかしないね、次郎ちゃん。」
「うん、……しないだろう、……きっと。」
次郎は、とぎれとぎれにそう言って、妙にくすぐったそうな顔をした。
三人は、それっきりまた默りこんで、めいめいに何か考えているらしかったが、俊三はそのうちに、つまらなそうな顔をして、ひとり階下におりていってしまった。
すると、間もなく、階段の下から、
「恭一や、ちょっとおいで。」
とお祖母さんの声がきこえた。恭一は、しばらく次郎の顔色をうかがってから、しぶしぶ立って行った。
次郎は一人になったが、べつにそれが気にもならず、また、何でお祖母さんが恭一を階下に呼んだのか、そんなことは考えてみる気もしなかった。彼はいつの間にか、また入学試験のことを思い出していたのである。
(あさっての晩までは、成績の発表はない。だが、母さんが来たら、きっといろいろ訊くにきまっている。それにどう答えたものだろう。いっそ、母さんと入れちがいに、正木に帰ってしまおうか知らん。)
彼はそんなことを考えて、小半時間もひとりで机に頬杖をついていた。