Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.773 caracteres · 294 pantallas

Aozora Bunko

「亡くなった母さんの代りに、正木の家の人として来て貰う。」ということと「お祖母さんに何もかもお骨折いただくわけにはいかんから。」というのが、話の要点だった。そして、

「なあに、そう窮屈に考えんでもいい。親切な小母さんにでも来てもらったつもりでいればいいんだ。ただ、母さんと呼んであげることだけは、忘れんようにしてもらいたいね。」

と、ちらっと次郎の顔を見て微笑した。

お祖母さんもその席にいたが、俊亮がそう言うと、膝をにじり出すようにして、

「恭一や、お前が一番の兄さんだから、次郎や俊三のお手本になるように、今度のお母さんに孝行をするんだよ。このお祖母さんのことなんか、もう忘れてしまってもいいんだからね。」

恭一の眼が悲しそうに光った。俊亮は、一瞬、眼をつぶって眉根をよせたが、すぐわざとらしく笑い出して、

「孝行だなんて、そんな大袈裟なことは、今度の母さんにはいらないんだ。孝行は、お祖母さんとお父さんだけにすればいい。母さんには、三人共うんとわがままを言うんだね。」

「わがまま言ってもいいの?」

と、俊三が真面目になってたずねた。

「いいとも。」

と俊亮は、笑いながら答えた。