Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.773 caracteres · 294 pantallas
すると、権田原先生がまた言った。
「考えてもわからんかね。じゃあ、先生が言ってやろう。お前はこのごろ何かむしゃくしゃしている。それで、つい、あばれてみたくなっただけなんだよ。ね、そうだろう。」
そう言った権田原先生の眼は笑っていた。次郎は、しかし、笑えなかった。彼は権田原先生の眼を気味わるくさえ感じたのである。
「ねえ本田、――」
と、権田原先生は次郎の肩に手をかけて、
「先生には、君があばれてみたくなる気持も少しはわかっている。だから、ゆうべのことで君を叱ろうとは思わん。だが、もし君がそれで正しいことをしたつもりでいたら、それは大間違いだ。正しいことというものはね、まだ、自分のことしか考えられない人間に出来ることではないんだ。」
次郎には、先生の言っていることが、はっきりのみこめなかった。しかし、「自分のことしか考えられない人間」と言われたのが、妙に彼の心にこびりついた。
そのあと、権田原先生はまた顎鬚をむしりはじめた。そして天井ばかり見て、ほとんど口をきかなかった。
そのうちに鐘が鳴った。すると、先生はのそのそと立ち上りながら、
「あとのことは先生がいいようにしておくから心配するな。