Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.773 caracteres · 294 pantallas
お祖父さんはにこにこしながら、言った。
「次郎にはちと上等すぎたようじゃのう。」
すると源次が、
「僕のにちょうどいいや。」
それで、みんながどっと笑い出した。次郎も思わず笑った。
「次郎、誰も知らないところにしまっておかないと、みんなにとられてしまうよ。」
お祖母さんが言った。それでまたみんなが笑った。次郎の気持は、いつとはなしに少しずつほぐれて行くようだった。
寝る時刻になった。
次郎の寝床は、従兄弟たちとはべつに、座敷の次の間に、お芳のとならべて敷かれてあった。次郎はそれを知った時には、きまりが悪いような、淋しいような、変な気がしたが、何も言わずに、お芳よりさきに、ひとりで床についた。
しばらくは眼がさえて寝つかれなかった。それでも、お芳がいつ寝たのかは、ちっとも知らないで眠っていた。
翌朝は、いつもより一時間あまりも早く眼をさました。お芳は、もう起きあがって帯をしめているところだったが、次郎が眼をさましたのを知ると、例の大きなえくぼを見せながら言った。
「次郎ちゃんは、ゆうべ夢を見たんでしょう。」
「ううん。」
「でも、何度も寝言を言っていたのよ。」