Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 117.781 caracteres · 235 pantallas
と、もう少しも遠慮はしなかった。愛の渇きによって自然に築き上げられて来た彼のこうした意地強さは、まだ決してなくなってはいなかったのである。彼は、新賀と大沢とを等分に見くらべながら、ずけずけと言った。
「僕は、僕の思うとおりにするんだから、もう誰にも構ってもらわなくてもいいんです。」
それを聞いて、誰よりもにがい顔をしたのは恭一だった。彼は、これまでほとんど一言も出さないでいたが、やにわに神経質な声をふりしぼって言った。
「次郎! 何を言ってるんだ。失敬じゃないか。大沢君だって、新賀君だって、お前のことを心配しているから、いろんなことを言うんだよ。」
「じゃあ、兄さんも、大沢さんや新賀君の言うことに賛成ですか。」
次郎は、今度は恭一に突っかかって行った。恭一は、ちらと新賀の方に眼をやって、答えに躊躇したが、
「僕が賛成だか、賛成でないか、そりゃ別さ。僕はただ、お前があんまり失敬だから、言ったんだよ。」
「だけど……」
と、次郎はせきこんで何か言おうとした。すると、大沢が急に笑い出した。そして、
「今日は、兄弟喧嘩はその程度でよしとけよ。ついでに、次郎君の問題も、ここいらで打切りにしたら、どうだい。