Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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うたあんどん

歌行灯

泉 鏡花

Lee 歌行灯 (うたあんどん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 36.094 caracteres · 72 pantallas

Aozora Bunko

」

と夥しく景気を直して、

「姉え、何んでも構わん、四五人木遣で曳いて来い。」

と肩を張って大きに力む。

女中酌の手を差控えて、銚子を、膝に、と真直に立てながら、

「さあ、今あっちの座敷で、もう一人二人言うて、お掛けやしたが、喜野、芸妓さんはあったかな。」

小女が猪首で頷き、

「誰も居やはらぬ言うてでやんした。」

「かいな、旦那さん、お気の毒さまでござります。狭い土地に、数のない芸妓やによって、こうして会なんぞ立込みますと、目星い妓たちは、ちゃっとの間に皆出払います。そうか言うて、東京のお客様に、あんまりな人も見せられはしませずな、容色が好いとか、芸がたぎったとかいうのでござりませぬとなあ……」

「いや、こうなっては、宿賃を払わずに、こちとら夜遁をするまでも、三味線を聞かなきゃ納まらない。眇、いぐちでない以上は、古道具屋からでも呼んでくれ。」

「待ちなさりまし。おお、あの島屋の新妓さんならきっと居るやろ。聞いて見や。喜野、ソレお急ぎじゃ、廊下走って、電話へ掛れや。」

九

「持って来い、さあ、何んだ風車。」

急に勢の可い声を出した、饂飩屋に飲む博多節の兄哥は、霜の上の燗酒で、月あかりに直ぐ醒める、色の白いのもそのままであったが、二三杯、呷切の茶碗酒で、目の縁へ、颯と酔が出た。