Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

すいせん

水仙

太宰 治

Lee 水仙 (すいせん) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.364 caracteres · 23 pantallas

Aozora Bunko

窓のそとの樹の枝のゆれぐあいで、風がひどいなと思っているうちに、雨が横なぐりに降って来ました。雨の音も、風の音も、私にはなんにも聞えませぬ。サイレントの映画のようで、おそろしいくらい、淋しい夕暮です。この手紙に御返事は要りませんのですよ。私のことは、どうか気になさらないで下さい。淋しさのあまり、ちょっと書いてみたのです。あなたは平気でいらして下さい。――

手紙には、アパートのところ番地も認められていた。僕は出掛けた。

小綺麗なアパートであったが、静子さんの部屋は、ひどかった。六畳間で、そうして部屋には何もなかった。火鉢と机、それだけだった。畳は赤ちゃけて、しめっぽく、部屋は日当りも悪くて薄暗く、果物の腐ったようないやな匂いがしていた。静子さんは、窓縁に腰かけて笑っている。さすがに身なりは、きちんとしている。顔にも美しさが残っている。二箇月前に見た時よりも、ふとったような感じもするが、けれども、なんだか気味がわるい。眼に、ちからが無い。生きている人の眼ではなかった。瞳が灰色に濁っている。

「無茶ですね!」と僕は叫ぶようにして言ったのであるが、静子さんは、首を振って、笑うばかりだ。