Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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すいぼく

水墨

小杉 放庵

Lee 水墨 (すいぼく) de 小杉 放庵 (こすぎほうあん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 2455 caracteres · 5 pantallas

Aozora Bunko

水墨の絵を作る程の人にして、墨の良否に関心せぬという者あらば、あれは水墨というものについて、根本的に智識なく、又愛なきものである、薪の燃えさしを以て、台所の壁に描いても、勿論、良きデッサンは獲られる、水墨の妙味は、かかる問題の外に在る、良き紙もしくは絹の上に、よき墨の色の、淡く濃くかかった味わい、淡きにも限りなき階段、濃きにも限りなき節調、水と墨、紙と絹との間に、あるいは偶然の妙趣を現わす、この偶然がホントでないという人もある、知らぬ人のいう事、予期されたる偶然は、実は偶然の部類に入らず、拙なき画人は、悪しき偶然にのみ出会い、巧みなる画人は善き偶然にのみ出会う。

水と墨の、紙ないし絹の上に、集散離合する魔術のような美しさは視覚より深く、殆んど触覚的の撫愛を惹く、美人を品して皮膚の粗密に及ばざるは、まだ真に美人を知れりとはいわれぬ、油絵においても、名手は手触りまでも好もしく感ぜられ、凡作は然らず、他のいずれの造形美術にもまた、この差を認めるけれども、殊に東洋の水墨に濃やかな、ほのかな触覚的の魅力を見る。

墨の古くして良きは、その粉粒が非常に細かく、膠が枯れている