Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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きせんのなかのちちとこ

汽船の中の父と子

小川 未明

Lee 汽船の中の父と子 (きせんのなかのちちとこ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 4175 caracteres · 9 pantallas

Aozora Bunko

しかし、その金は、おじいさんを満足させなかったようです。

「おまえさんは、たくさんお金を持っていなさるようだが、もっと私にくれてもいいのに。」と、おじいさんがいったからです。

しかし、父親は、オルゴールを持つと、さっさと、あちらへいってしまいました。

このとき、白いひげのおじいさんは、石から起き上がって、二人の後ろ姿を見送っていましたが、ふと、思いついて、ポケットにいれてあった鍵をつかみ出すと、父親が忘れていったと知ったので、おじいさんは、すぐに二人の後を追いかけたのです。けれど、二人は、どこへいったものか、おじいさんは、見失ってしまいました。

「これがなかったら、あのオルゴールを鳴らすことができん。どんなに困るだろう。」と、おじいさんは独り言をいっていました。

しばらく、おじいさんは、港に立って、二人が気づいて、もどってきはしないかと待っていましたが、ついに、二人はやってこなかったので、おじいさんは、この古い鍵を海の中へ投げ入れて、いずこともなく去ってしまいました。

父親は、汽船に帰ってから、はじめて鍵を忘れてきたことを悟りました。しかし、どうすることもできませんでした。