Clásicos japoneses con furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lee 浮雲 (うきぐも) de 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 112.980 caracteres · 222 pantallas
第十四回
「何と云ッて出たものだろう?」と強いて考えてみても、心奴がいう事を聴かず、それとは全く関繋もない余所事を何時からともなく思ッてしまう。いろいろに紛れようとしてみても、どうも紛れられない、意地悪くもその余所事が気に懸ッて、気に懸ッて、どうもならない。怺えに、怺えに、怺えて見たが、とうどう怺え切れなくなッて、「して見ると、同じように苦しんでいるかしらん」、はッと云ッても追付かず、こう思うと、急におそろしく気の毒になッて来て、文三は狼狽てて後悔をしてしまッた。
叱るよりは謝罪る方が文三には似合うと誰やらが云ッたが、そうかも知れない。
第十四回
「気の毒気の毒」と思い寐にうとうととして眼を覚まして見れば、烏の啼声、雨戸を繰る音、裏の井戸で釣瓶を軋らせる響。少し眠足りないが、無理に起きて下坐舗へ降りてみれば、只お鍋が睡むそうな顔をして釜の下を焚付けているばかり。誰も起きていない。
朝寐が持前のお勢、まだ臥ているは当然の事、とは思いながらも、何となく物足らぬ心地がする。
早く顔が視たい、如何様な顔をしているか。顔を視れば、どうせ好い心地がしないは知れていれど、それでいて只早く顔が視たい。