Clásicos japoneses con furigana
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
Lee 海難記 (かいなんき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 28.628 caracteres · 56 pantallas
までの航行に必要な物資を今夜のうちにこっそりと積み込むようにいいつけ、猶、配乗の機微は離船の直前まで厳秘することに申合せをした。
二日は会議に暮れ、翌三日は朝からまた離礁作業にかかった。ショオマレェは麦粉や火薬の樽をほどほど海に捨てさせ、遠くへ錨を入れてキャプスタンを巻かせた。植民団も傭兵も出て轆轤の把手にとりつき、力をあわせて巻いているうちにメデュウズがすこしずつ動きはじめた。一時間ほどすると、坐洲点から三百パ(約二百米)ほどずりだし、そこで水に浮いた。艫の一部が浮洲に触れているだけなので、一同は歓声をあげながら巻きに巻いたが、曳綱が錨のそばまで緊縮したところで、ハタと停まってしまった。間もなく干潮になり、ラ・メデュウズは右舷に傾きながら浮洲の上に残された。
「これ以上のことは出来ない」
ショオマレェはそういって、作業を中止させてしまった。あとになってから理解されたのだが、この見せかけの作業は、軍艦を放棄することにたいするエクスキュウズのようなものだったらしい。ラ・メデュウズには二十四斤砲が十四門も搭載されていたが、それさえ捨てていたら、離礁していたかも知れないからである。