Clásicos japoneses con furigana
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うずまけるからすのむれ
渦巻ける烏の群
黒島 伝治
Lee 渦巻ける烏の群 (うずまけるからすのむれ) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.240 caracteres · 35 pantallas
そこには、中隊で食い残した麦飯が入っていた。パンの切れが放りこまれてあった。その上から、味噌汁の残りをぶちかけてあった。
子供達は、喜び、うめき声を出したりしながら、互いに手をかきむしり合って、携えて来た琺瑯引きの洗面器へ残飯をかきこんだ。
炊事場は、古い腐った漬物の臭いがした。それにバターと、南京袋の臭いがまざった。
調理台で、牛蒡を切っていた吉永が、南京袋の前掛けをかけたまま入口へやって来た。
武石は、ペーチカに白樺の薪を放りこんでいた。ペーチカの中で、白樺の皮が、火にパチパチはぜった。彼も入口へやって来た。
「コーリヤ。」
松木が云った。
「何?」
コーリヤは眼が鈴のように丸くって大きく、常にくるくる動めいている、そして顔にどっか尖ったところのある少年だった。
「ガーリヤはいるかね?」
「いるよ。」
「どうしてるんだ。」
「用をしてる。」
コーリヤは、その場で、汁につかったパン切れをむしゃむしゃ頬張っていた。
ほかの子供達も、或はパンを、或は汁づけの飯を手に掴んでむしゃむしゃ食っていた。
「うまいかい?」
「うむ。」
「つめたいだろう。」
彼等は、残飯桶の最後の一粒まで洗面器に拾いこむと、それを脇にかかえて、家の方へ雪の丘を馳せ登った。