Clásicos japoneses con furigana
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ひのとり
火の鳥
Lee 火の鳥 (ひのとり) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 37.740 caracteres · 76 pantallas
どんなことがあっても離れない。」
「よせやい。」助七は、めずらしくきびしい顔つきで、そう言った。「おれは、それほどばかじゃない。」つと立って、青年のあとを追った。
「君、君。」新富座のまえで、やっと追いついた。「話したいことがあるのだがねえ。」
青年は、振りかえって、
「僕は、あなたを憎んでいません。好きです。」
「まあ、そう言うな。」にやにやして言ったのであるが、青年の、街路樹の下にすらと立っている絵のように美しい姿を見て、流石にぐっと真面目になった。いい男だなあ、と思った。「すこし、君に、話したいことがあるのだけれど、なに、ちょっとでいいのです。つき合って呉れませんか。おれだって、――」言い澱んで、「君を好きです。」
三好野へはいった。
「須々木乙彦、というのは、あなたの親戚なんですってね?」あなた、といったり、君といったり、助七は、秩序がなかった。
「いとこですが。」青年は、熱い牛乳を啜っていた。朝から、何もたべていなかった。
「どんな男です。」真剣だった。
「僕の、僕たちの、――」青年は、どもった。
「英雄ですか?」助七は、苦笑した。
「いいえ。愛人です。いのちの糧です。