Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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くまのでるかいこんち

熊の出る開墾地

佐左木 俊郎

Lee 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.070 caracteres · 31 pantallas

Aozora Bunko

石油鑵が鳴り、板木が響き、バケツが鳴った。人々が叫び合った。開墾地一帯が揺るぎ吠えるのだった。

「熊だあ! 熊だあ!」

「熊だとう?」

炬火の薄明かりの中へ地主の藤沢が事務所から出て来た。鉄砲が鳴った。藤沢は唸って、蹌踉めいて、ばたりと倒れた。

「おっ! こりゃ熊でなくて藤沢さんだで。」

佐平爺が、倒れて唸っている藤沢に近付きながら言った。

「善蔵、貴様誰かと駐在所へ行って来う。熊が出たので追い廻していたら、そこへひょっこり藤沢さんが出て来たので、熊だと思って間違って撃ってしまいましたってな。解ったか。熊と間違ってだぞ。そこの理由をよく話すんだぞ。」

「誰が撃ったって訊かれたら?」

「あ、俺が撃ったって言ってくれ。」

雄吾は猟銃を杖にして傲然と言った。

「雄吾、貴様は札幌さ行って来ねえ気が? 俺が撃ったのだと言っておいてくれ。」

佐平はこう言って、雄吾から猟銃を奪った。二人の若者達は駐在所へ駈け出した。

「この悪熊も、とうとう為留られたな。」

「何を、馬鹿なことを。――おい、火を焚こうじゃねえか。」

炬火が積み重ねられた。上から枯れ木が加えられた。焚き火は闇の中に高く焔先を上げた。