Clásicos japoneses con furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lee 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 101.908 caracteres · 204 pantallas
ワイコフ医師は、そういって、急いで、車をまわして立ち去った。
房枝は、惨事の小屋跡へかけよった。
「こらこら、はいっちゃいかん」
警官が、房枝の前に、立ちふさがった。
ニーナが、房枝をかばうようにうしろから抱きとめた。
しかし警官の肩越しに、惨事の跡がよく見えた。一夜のうちに、こうもかわるものであろうか。目をおおいたい惨状であった。天幕の柱が燃えおちて、ひどく傾いている。天幕の燃えのこりが、泥にそまって、地上に散らばっている。火事は全焼とまではいかず、八割ぐらいの火災で、二割がたは焼けのこっていた。だが焼けのこっているものも、どれ一つ満足なものはなかったのである。
「だって、あたし、ミマツ曲馬団のものなんですのよ。ゆうべ、団長の黒川さんが、丸ノ内で負傷したので、それを介抱して、ここにはいなかったんですの。新聞をよんで、いそいで様子を見に戻ってきたんですわ」
房枝は、けんめいになって、事情を説明した。
「なんだって、ミマツの団員で、ゆうべ、ここにいなかったというのか。おお、それは逃がさんぞ」
警官は、房枝の手を、しっかりつかまえた。
「お前の名は、なんというのか」