Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いぬとふえ

犬と笛

芥川 竜之介

Lee 犬と笛 (いぬとふえ) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 7752 caracteres · 16 pantallas

Aozora Bunko

そこで髪長彦は勇気をとり直して、吠えたける犬をなだめながら、一心不乱に笛を吹き出しました。

するとその音色の面白さには、悪者の土蜘蛛も、追々我を忘れたのでしょう。始は洞穴の入口に耳をつけて、じっと聞き澄ましていましたが、とうとうしまいには夢中になって、一寸二寸と大岩を、少しずつ側へ開きはじめました。

それが人一人通れるくらい、大きな口をあいた時です。髪長彦は急に笛をやめて、

「噛め。噛め。洞穴の入口に立っている土蜘蛛を噛み殺せ。」と、斑犬の背中をたたいて、云いつけました。

この声に胆をつぶして、一目散に土蜘蛛は、逃げ出そうとしましたが、もうその時は間に合いません。「噛め」はまるで電のように、洞穴の外へ飛び出して、何の苦もなく土蜘蛛を噛み殺してしまいました。

所がまた不思議な事には、それと同時に谷底から、一陣の風が吹き起って、

「髪長彦さん。難有う。この御恩は忘れません。私は土蜘蛛にいじめられていた、笠置山の笠姫です。」とやさしい声が聞えました。

五

それから髪長彦は、二人の御姫様と三匹の犬とをひきつれて、黒犬の背に跨がりながら、笠置山の頂から、飛鳥の大臣様の御出になる都の方へまっすぐに、空を飛んでまいりました。