Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ごくちゅうき

獄中記

大杉 栄

Lee 獄中記 (ごくちゅうき) de 大杉 栄 (おおすぎさかえ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 28.988 caracteres · 58 pantallas

Aozora Bunko

これは僕ばかりではない。その後不敬事件で一年ばかりはいった仲間の一人も、やはり吃りであったが、出た翌日からほとんど唖になってしまった。そしてやはり僕と同じように、一カ月ばかりの間筆談で暮していた。

牢ばいりは止められない

また少々さもしい話になるが、出る少し前には、出たら何を食おう、かにを食おうの計画で夢中になる。しかし出て見ると、ほとんど何を食っても極まりなくうまい。

まずあの白い飯だ。茶碗を取り上げると、その白い色が後光のように眼をさす。口に入れる。歯が、ちょうど羽布団の上へでも横になった時のように、気持よく柔らかいものの中にうまると同時に、強烈な甘い汁が舌のさきへほとばしるように注ぐ。この白い飯だけでたくさんだ、ほかにはもう何にも要らない。

「あれを思い出しちゃ、とても牢ばいりはやめられないな。」

前科者同士がよく出獄当時の思い出話をしながら、こう言っては笑う。実際日本飯の本当の味なぞは、前科者ででもなければとうてい味わえない。