Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
Lee 生まれいずる悩み (うまれいずるなやみ) de 有島 武郎 (ありしまたけお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 50.587 caracteres · 100 pantallas
そして不思議な事には、波の腹に乗っても波の背に乗っても、舳は依然として下に向いたままである。風の強弱に応じて帆を上げ下げする様子もない。いつまでも目の前に見えながら、四十五度くらいに船首を下向きにしたまま、矢よりも早く走って行く。
ぎょっとして気がつくと、その船はいつのまにか水から離れていた。波頭から三段も上と思われるあたりを船は傾いだまま矢よりも早く走っている。君の頭はかあんとしてすくみ上がってしまった。同時に船はだんだん大きくぼやけて行った。いつのまにかその胴体は消えてなくなって、ただまっ白い帆だけが矢よりも早く動いて行くのが見やられるばかりだ。と思うまもなくその白い大きな帆さえが、降りしきる雪の中に薄れて行って、やがてはかき消すように見えなくなってしまった。
怒濤。白沫。さっさっと降りしきる雪。目をかすめて飛びかわす雲の霧。自然の大叫喚‥‥そのまっただ中にたよりなくもみさいなまれる君たちの小さな水船‥‥やっぱりそれだけだった。
生死の間にさまよって、疲れながらも緊張し切った神経に起こる幻覚だったのだと気がつくと、君は急に一種の薄気味悪さを感じて、力を一度にもぎ取られるように思った。