Clásicos japoneses con furigana
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くじょしょうろく
痀女抄録
矢田 津世子
Lee 痀女抄録 (くじょしょうろく) de 矢田 津世子 (やだつせこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 32.578 caracteres · 65 pantallas
断裂の生地は仔細にこれをしらべると凡そ綾織、絹縮ふうの羅、平織、文羅などであって、このうち紫綾、絹縮ふうの羅の部分が最も多く、色めは濃淡多少の差はあるけれども紫地が大部をしめている。この絹縮ふうの羅について、先生は種々の方面から考証されていられたが、当時これが台ぎれに使用されたというよりは後世になって大破を修補したおり用いた生地だとみていられる。飛鳥天平のころには、このような生地の類例がなく、これが現存する断裂の大部をしめているとみるとき、飛鳥時代本来の分は余程縮少される。繍法は平ざし、まといつきざし、まといざし、からみ繍などで、色糸のとりあわせは巧妙をきわめ、紫の地に黄、紅、臙脂、紫、藍、緑を主調とする繍が施されて、その彩色の華麗は例えようもない。繍帳下部のほうに、法隆寺金堂や玉虫厨子を思わせる様式の鐘楼があって、この中に緑の衣に紅い袈裟をつけた僧侶がいる。両の手に撞木をもって、いまにも鐘をつかんとする姿態を繍した僅か三寸にみたぬ図ではあるけれども、凝っと眸をさだめると、この僧侶の生動しているさまが見える。――先生のこの言葉からわたくしは、さながらその場にある心地して、微妙に生動している僧侶の姿が目まえにありありと見えるようであった。