Clásicos japoneses con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Lee 私本太平記 (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 116.638 caracteres · 233 pantallas
けれど人間はまだ悲しいかな、そこまで叡智の持ち主でありませぬ」
衆の声「はアて? どうじゃな同朋たち。検校どのの今のおはなし、合点がゆくか」
衆「いや合点なまいらぬ。大乱の因は地震のようなもので、火ツケの悪徒のせいではない。ただ、人間全体が叡智にさえなれば、戦はなくてすむという仰せだが」
答「ま、同座の衆、お静かに。今の言い方では宇宙から下界を見たような感をうけたかもしれぬが」
衆「その通りじゃ。こんな馬鹿な戦を果てなくやっていられたら、人間全部が一生の五、六十年はまるつぶれになってしもう」
答「ならば旧態のままでよいか。それも不断に進む世の自然に反します。行き詰りの世が腐りだすと、腐り放題に腐えてゆく。いやでもまたその無秩序や不平が恐ろしい不安を醸して来ますのでな」
問「と仰っしゃるのは、庶民も戦争の手伝い人だと仰っしゃるので」
答「庶民は戦争にふるふるです。ですが時には、事を好む弥次馬性と射倖心にもうごかされやすい」
問「なるほど、そんな浮浪もいるにはいますな。けれど戦争の元兇は、やはり権力の中に住む人間どもにありとしか思われぬ」
答「……権力。