Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
かまどのなかのかお
竈の中の顔
田中 貢太郎
Lee 竈の中の顔 (かまどのなかのかお) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 7439 caracteres · 15 pantallas
「木の中におって木をきらすとは、けしからんことじゃ」
僧はこう云って枯枝を竈の下へ入れはじめた。三左衛門は竈の下へ眼をやった。さっきの顔がまたにゅうと出て来た。僧はいきなり拳をこしらえてそれを打とうとするようにした。と、顔は引込んでしまった。僧はそれを見ると傍の火打石を執って火を出し、それを竈の下へ移した。
「今まで火があった釜だで、すぐ沸く」
「どうか、もうすぐお暇をするから、おかまいないように」
三左衛門は僧に怪しいそぶりがあれば、一打ちにしようと僧のそぶりに眼を放さなかった。
「石があるなら、一手位は願えますが」
僧は温泉宿で云うようにおちついた声で云った。
「そうだな、石があると願えますな」
三左衛門はそれでも油断をしなかった。
「さあ、お茶が沸いた」
僧はそう云ってどこからか二つの茶碗を持って来て茶柄杓を持った。
「では、一杯いただいてから、すぐお暇をしよう」
「まあ、まあ、そう急がなくても」
「いや、路が面倒だから、すぐお暇をします」
「そうかな」
僧は茶を汲んで一つの茶碗を三左衛門の前へ置き、一つの茶碗を入口の方へ持って往った。三左衛門は僧の眼が無くなると茶碗の茶を藁の間にこぼしてしまった。