Clásicos japoneses con furigana
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だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本
泉 鏡花
Lee 第二菎蒻本 (だいにこんにゃくぼん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.739 caracteres · 32 pantallas
莞爾莞爾したわ。何とも言えない可い心持だったんですよ。お前さんに、お前さんに、……あの時、――一面に染まった事を思出して何とも言えない、いい心持だったの。この襦袢です。斬られたのは、ここだの、ここだの、」
と俊吉の瞶る目に、胸を開くと、手巾を当てた。見ると、顔の色が真蒼になるとともに、垂々と血に染まるのが、溢れて、わななく指を洩れる。
俊吉は突伏した。
血はまだ溢れる、音なき雪のように、ぼたぼたと鳴って留まぬ。
カーンと仏壇のりんが響いた。
「旦那様、旦那様。」
「あ。」
と顔を上げると、誰も居ない。炬燵の上に水仙が落ちて、花活の水が点滴る。
俊吉は、駈下りた。
遠慮して段の下に立った女中が驚きながら、
「あれ、まあ、お銚子がつきましてございますが。」
俊吉は呼吸がはずんで、
「せ、せ、折角だっけ、……客は帰ったよ。」
と見ると、仏壇に灯が点いて、老人が殊勝に坐って、御法の声。
「……我常住於此 以諸神通力 令顛倒衆生 雖近而不見 衆見我滅度 広供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心……」
白髪に尊き燈火の星、観音、そこにおはします。……駈寄って、はっと肩を抱いた。