Clásicos japoneses con furigana
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ふんにょうたん
糞尿譚
火野 葦平
Lee 糞尿譚 (ふんにょうたん) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 51.974 caracteres · 99 pantallas
な口調で云った。聞いて居るうちに彦太郎は何か放心したような状態になり、身体が宙に浮いているような感じがした。君は不足のような様子であるが、よく考えてくれたまえ、僕は何も君の事業の権利を横合いから奪うとかどうとかいう意味ではない当然の根拠に基いて、当然の立案をしただけだ、しかし君を殺すことは出来ない、また君と争うことも出来ない、不服であれば、保留してもよいのだから、よく考えておいてくれたまえ、さあ、話はそれ位でよかろう、飲みなおしだ、またひとつ、君の実感のこもった猥談でも聞こうじゃないか、と阿部は急に燥いだ調子になって、書類を懐に入れ、手を叩いた。はあいと遠くで女の声がした。彦太郎の眼からはらはらと大粒の涙が流れ落ちた。彼はそれを拭く気力も抜け果てた様子で、いろいろお世話になりました、いずれ返事しますから、私はこれで失礼します。そう云って立ち上ったがよろよろとよろけた。
女が入って来て、もうお帰り、と云ったが、そのまま力のない足どりで階段を下り、夜の町へ出て行った。
蹌踉とした足どりで彼が町を歩いていると、後からいきなり肩を叩いたものがあった。驚いて振り返ると、ふうと熟柿くさい息が吹きかかり、やあ、衛生舎社長どの、いかがでござる、と云いながら一人の男が、ぶつかるように彼になだれかかった。