Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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るこうしんそう

縷紅新草

泉 鏡花

Lee 縷紅新草 (るこうしんそう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 24.566 caracteres · 48 pantallas

Aozora Bunko

――でも自害をなさいました、後一年ばかり、一時はこの土地で湯屋でも道端でも唄って、お気の弱いのをたっとむまでも、初路さんの刺繍を恥かしい事にいいましたとさ。

――あれあれ見たか、あれ見たか――、銀の羽がそのまま手足で、二つ蜻蛉が何とかですもの。」

「一体また二つの蜻蛉がなぜ変だろう。見聞が狭い、知らないんだよ。土地の人は――そういう私だって、近頃まで、つい気がつかずに居たんだがね。

手紙のついでで知っておいでだろうが、私の住んでいる処と、京橋の築地までは、そうだね、ここから、ずっと見て、向うの海まではあるだろう。今度、当地へ来がけに、歯が疼んで、馴染の歯科医へ行ったとお思い。その築地は、というと、用たしで、歯科医は大廻りに赤坂なんだよ。途中、四谷新宿へ突抜けの麹町の大通りから三宅坂、日比谷、……銀座へ出る……歌舞伎座の前を真直に、目的の明石町までと饒舌ってもいい加減の間、町充満、屋根一面、上下、左右、縦も横も、微紅い光る雨に、花吹雪を浮かせたように、羽が透き、身が染って、数限りもない赤蜻蛉の、大流れを漲らして飛ぶのが、行違ったり、卍に舞乱れたりするんじゃあない、上へ斜、下へ斜、右へ斜、左へ斜といった形で、おなじ方向を真北へさして、見当は浅草、千住、それから先はどこまでだか、ほとんど想像にも及びません。